学部生時代と大学院生時代では全く違います…
ちょっと勉強ができる程度の、普通の子供でした。あとはサッカーをしていましたね。あまり人付き合いは上手ではありませんでしたよ。今もそうですが、学会のお茶の時間とか苦手です。立食パーティーなんかでも端っこにいて、すぐたばこを吸いに行ってすぐ帰ります。それは子供の頃から変わりませんね。
学生時代についてお聞きします!どんな学生でしたか?
僕、学部の時と院の時で全く違うんです。学部の時は全く勉強しませんでしたね…。自分でもびっくりするくらい(笑)。留年もしたし、バンドサークルとサッカーサークルに入っていました。特にバンドサークルが好きだったんですけど、同期が8人いて全員留年してました。あれに5年も費やしたのはもったいないなと思いますね。
バンドサークルとサッカーサークル!イケイケって感じですね(笑)。大学院生のときはいかがでしたか?
仕事をしながら大学院に通っていた上、結婚もしていましたが、ものすごく勉強しました。勉強といっても実験も多く面白かったんです!自分で言うのも何ですが、優秀な生徒だったと思います。修士の時のタコの研究は優秀な論文として賞をもらいました。博士課程に在籍中だったので結構珍しいことだと思います。
一度社会に出ているというのは大きかったと思います。大学からすぐ大学院に行った学生と同じパフォーマンスしか出せなかったら問題ですよね。ただ博士課程の途中で妻がアメリカに留学に行ったので、お金がすごく大変でしたね。妻が留学から帰ってきたときに僕も大学院が終わり、2人合わせて1000万くらいの借金がありました。今でも返していますけど、それでも思い切ってやってよかったなと思います。
1000万はすごいですね…!仕事との両立も大変でしたよね。
そうですね。結構忙しかったです。仕事して研究してをずっと繰り返していました。でも面白かったですよ。もう一回やるかって言われたらやらないと思いますけどね(笑)
愚痴の言える相手が大切
友達を作ることですかね。その頃の友達は今でも付き合いがあります。仕事をする以前にできた友達はすごく大事だと思います。仕事をしてからできる友達は利害が絡んでくるのでなかなか本当の友達関係になることが難しいですからね。利害の発生する前に出た友達、イコール愚痴れる友達です。
絶対やらないと思うけど、勉強はしておけばよかったと思います。友達は大切ですけど、5年間は必要なかったと思いました(笑)
娘さんが3歳の時、海部先生が作られた遠足のお弁当。とても美味しそう!
世の中の男性よりありえないくらいしていること
ご紹介いただいた濱坂さんから、ウナギ以外のことも聞いてみると面白いですよ!
という情報をいただいたので、私生活についてもお話を聞いてきました!
家事はしていますね。おそらく、平均的な男性像と比べたらありえないくらいしてます。僕は年間で100日くらい出張に行くんです。だから東京にいるときは家事はやるようにしてます。送り迎えとかご飯を作るとかは僕が大体やりますね。短い出張だったら僕がいない期間のご飯を作って冷蔵庫や冷凍庫に入れていきます。一緒に住み始めたときからご飯は大体僕が作っていました。男4人兄弟で親が共働きだったので僕が家事をするのはごく当たり前だったんですよね。
そんなに家事を手伝ってくれる旦那さん、なかなかいないですよ!
そうですよね。たまにする場合はあるとしても毎日っていうのはそんなに多くないのではないかと思います。朝は大体5時半に起きて洗い物してご飯を作って風呂を沸かすと奥さんが起きてきてお風呂に入ってます。女の人の方が朝準備大変だから、僕がやってしまった方が理にかなっていると思います。
僕が高校の時は、父が朝ごはんや弁当を作っていたんです。なぜかというと、ある時両親が大喧嘩をしました。けんかの理由は、父が偶然早く帰宅し新聞を読んでいるところに、母が帰ってきて「ごめん、ごめん」と言いながら米をとぎ始めたとき父が「飯、まだか~」と言ったからなんです。そしたら母は米櫃をぶちまけてすごい喧嘩になりました。その次の日から父が朝ごはんを作るようになりました。そんな理由はあるにせよ、父親が普通に家事をするのを見ているから、自分が家事をすることを特別なことだとは思わないです。
それぞれの家庭でやり方があるのは当然ですが、子供にどう見せたいのかは大事なことだと思います。夫婦のあり方を子供が見て、それを当たり前だと思うんです。親のやっていることが子供にとっての基準だと考えると、家事分担に関する考え方も変わってくるのではないかと思います。
授業は面白くて当たり前
法学部にいますが、教えているのは一般教養です。一般教養の生物学や環境、科学論を担当しています。個人的には科学論の授業が一番面白いですね。今話したようなことや、科学がどれだけ信頼できるのかを話していくうち、自分のやっていることはいったい何だろう、ということを考えるようになりました。さっき話した基礎研究と応用研究についても、この授業のために調べて、新しいことをたくさん知りました。
授業は教員にとってもありがたいことだと思ってます。いろいろな形の授業があると思いますが、教員が自分の専門分野だけを教えていると教員も伸びないですよね。少し知らない分野をやることでいろんなことを知るチャンスが増え、いいなと思います。
芯の部分はあまり変えないようにしていますが、それでも僕はまだ授業を始めて4年目なので、どんどん変わっていますね。毎年去年の学生には申し訳ないな、と思います。
多分、荒削りの時の方が僕が意図していない中でも伝えているようなことなど、向こうが思うところがあるかもしれないですし、落ち着いてしまったらそれはそれで面白くないかもしれないのでいいのかもしれません。そろそろ安定させてテキストを作った方がいいかな、とは思っていますね。
基本的には聴講です。自分で言うのもなんですが、面白いと思いますよ! でも授業って面白くて当たり前ですよね。
不真面目にやれば何でもつまらない。
真面目にやれば何でも楽しい。
「仕事って何だろう」といったことを考える授業でもお話しします。仕事って時間を切り売りすることではない、仕事は社会と通じている窓口だと伝えています。自分が仕事によって新しい価値を創り出し、その価値を社会が認め、その代償としての報酬をいただく。そうと考えると仕事って楽しい!という気持ちで見つめられんじゃないかなと思います。
仕事は楽しいということを伝えたいです。就活も楽しい仕事に就くためのステップだと思って頑張ってください。