それぞれの橋に寄る度に、その設計やデザインの幾何的かつ機能的な美しさに気付かされます。葛飾北斎が筆をとるほどに魅了された理由が、少しだけ解るような気がしました。
大橋はとても年季が入っており、古い物は400年以上前までその歴史をさかのぼります。新大橋もその一つで、当時深川に芭蕉庵を構えていた俳人・松尾芭蕉が橋が完成していく様子を句に詠んでいます。
「ありがたやいただいて踏むはしの霜」でも隅田川の水って汚いんじゃないの?」と思われる方もいるかもしれませんが、これが実は違うのです。
ガイドの中林さんが透明な管を水の中に入れて、水の中の水質を見せてくれました。結果は…すごく綺麗!管のそこまですっかり綺麗です。そういえば、船の上でもにおいは気になりません。どうやら、隅田川が濁ってみえるのは、プランクトンや藻の影響が大きいようで、現在の水質はかなり良いようです。これも科学倶楽部を初めとしたエコ団体の努力と、東京に暮らす人々の気遣いの賜物という事でしょうか。
神田川に入ると、生活排水がただ垂れ流されていた頃の名残で川側に窓が一切ない建築物の姿が確認できます。神田川を進んでいると…おや?なんでしょう。川が別れて…道の下へと入っていくルートがあります。迷路でしょうか?
いえいえ、これは御茶ノ水分水路といって、大雨などによる増水にそなえて作られた水の逃げ道です。川幅の拡張が難しい都会ならではの対策といった所でしょうか。いわゆる暗渠として、東京の地下を通っています。
そしてしばらく進むとまた分水路を発見。どうやらこちらは入り口のようで、ガイドさんが少しだけ中に入ってくれました!これまた嬉しいイベントです。おお…中は意外に涼しく、すこし風が通っているようでした。いつかあの中を進んで出口を目指してみたいものです。
分水路の中の壁に水が出ている部分がある事に気づきました。どうやら都営三田線構内からわき出る地下水を神田川へ循環させているようです。水量の確保と、水質浄化のためのようです。見えない所で色々なアイデアが発揮されているのですね。 しばらく進むと賑やかな後楽園。メンバーは一旦ここでお昼休憩になります。