仕事ができる人ほどあまり汚れない!?
お仕事をされていて苦労、大変な事はどんなことですか?
今の会社の状況でいう苦労になってしまうのですが、うちの会社は常時10人未満くらいの職人がいるのですが、
社長以外は全員同世代なので、中堅の経験を積んだ方がいないんです。
なので困った時の対処がなかなか難しいですね。
あとは、どうしても若い連中だけでいるとたるむ部分があるってところですかね(笑)。
そこを締める人がいないのが少しネックかなと最近思います(笑)
苦労というと今はそれほどないですが、最初に就職した前の塗装の会社では、距離の移動が大変でしたね。
鎌倉から二子玉川まで電車で通っていたりしたので。
朝、始発から2番目の電車に乗って、帰るのは夜の22時とか、体的にきつかったですね。
今は会社を変える際に近くに引っ越して、原付で通えるほどの距離に家があるので楽ちんです。
あと大変なことというと、一般的なサラリーマンと比べると朝が早いってことですかね。
でもこれも人によりますし意識の問題なのかなと思います。
他には、、当然ですが塗装屋は作業服の汚れはすごいですね。
でもそれは自分の腕が上がっていけばあまり汚れなくなってくるんです。
仕事ができる人ほどあまり汚れないです。たぶん塗り方もあると思います。
たとえば天井を塗るのにわざわざ真下にいないようにしたりとか。
本当にうまい人は塗料がたれてこないんです、全然違います。
だから俺はまだまだ下手くそです(笑)
最近ではあまり汚れも気にしなくなってきちゃったんですけどね(笑)
お客様に喜んでもらえる瞬間が一番のやりがい
一軒家の塗り替えを主に扱っている会社なので、お客様との距離が近いことですね。
それは同時に厳しい面でもありますが、塗り替えをしていく中で日々姿がガラリと変わっていく自分の家を見ているお客様に褒めていただいたり、喜んでもらえる瞬間が一番のやりがいです。
そうですね、たとえばビルやマンションの屋上で使う、防水の塗料は普通のものより臭いがきついです。
人によりますが、食欲がなくなったりする人もいます。
吹付のときマスクなしだと大変なことになりますよ。
しないと鼻の中とかカピカピで真っ白になるんです。
本当にすごいです、とんでもないです。
あと内装の壁の吹付のときは、部屋じゅう全部に養生をするので窓も開けられず大変です。
部屋の中が真っ白になって、それはもう、とてつもないことになります。
その時はタオルをまいてマスクもして目だけ出す、って感じですね。
そうですね、でも塗装屋は養生が命なので。
最初は塗るよりもまず養生を覚えさせられます。
面白いもので養生も人によってすごく性格が出ます。
できる人は早く綺麗にできるし、最後に剥がす時も取れ易いんです。
養生ひとつ取っても上の人から学べないんですもんね。
やりながら学ぶといった感じですね。
他の会社に応援に行ったときに学ぶことも多いです。
最初は全然できなかったですよ。
同じ動作をしているはずなのに、できる人との違いが自分でも目に見えてわかりました。
でも感覚的にだんだん覚えてくると、平均的に綺麗に塗れるようになります。
そうです。
ローラーが入りきれないところや、窓まわりやドア回りなどは均等に色を入れられるように先に刷毛で色を付けておきます。
それは『ダメ込み』っていいます。
田園調布の豪邸の内装をやったとき、食卓の真上に傘がついたガラス製の大きいダウンライトがあったんですけど、
頭で頭突きして一発で割っちゃったことがありました。
そういえば前に友達がペンキをどばーっとこぼしちゃったことがありました(笑)
塗装屋はいっぱい用語があって。面白いんですよ。
水のこと『ズタ』って言ったり。
そう、だから雨が降ることを『ズタ』がばれる、『ズタ』ばれてきたっていうんですよ。
あと、これは水性なので『ズタ』汲んできて、とか。
塗装は稀釈といってシンナーで硬いものを柔らかくしてるんですけど、あまりにもシンナーを入れすぎると、しゃぶしゃぶになっちゃうんですよ。
それを『しゃぶい』っていうんです。
だからできない職人のことを『しゃぶい』っていいます。薄いから。
『パイ』は捨てるっていう意味もあります。
雨が降っているからきょうは『パイ』だ〜とか。