−−それでは映画『サマーウォーズ』に関する質問です。
『サマーウォーズ』を制作する過程で、大変だった点はありますか。
「絵コンテを見た段階で、CGを使うシーンがどれもこれも大変そうで…。どうするんだろう、っていう感じは最初からありました。OZの世界観はあらかじめデザイン画がありましたので、それを元にCGを作ればよかったのですが、細かいカットには特に指定がなかったんです。だから「このシーンはどうやって作ればいいんだろう」といったアイデア出しには非常に苦労しました。」
−−『サマーウォーズ』制作中、一番苦労したCGシーンは。
「アバターが沢山出てくるシーンが大変でした。ラブマシーンにアバターが沢山群がっていなければならなかったので、魚の群れの資料を見て「こんな風にならないかな〜」と、動きのテストを何度も繰り返しました。小さいけれど1つ1つ全部アバターで構成されてるんですよ。でもソフトが凄く重くなってしまうので、ちゃんとした立体のアバターで作っている訳ではないんです。板にアバターの絵を貼って沢山の板を動かしています。データ量が膨大なので、パソコンが何度もフリーズしかけたと思います(笑)。」
−−好きなシーンは?
「好きなシーンはたくさんありますが、やはりラブマシーンが登場してくるところ。その前の対決で倒したと思っていたのに「え?」って感じでまた出てくる、、一番わくわくします。」
−−主人公の友達の佐久間君のアバターは、他のキャラクターと違って2Dドットですが、何か2Dに思い入れがあるのでしょうか。
「キャラクター・デザイナーの方に聞いてみないと分りませんが、僕が察するところでは、ファミコン風のキャラクターの親しみやすさかな、と。佐久間君は物理部で、昔のファミコンのことなどマニアックな知識を持つキャラクターなので、あのドットアバターをデザインしたんじゃないかな、と思います。」
−−堀部さんが好きなアバターキャラクターを教えて下さい。
「CGで作ったアバターは300種類以上ありどれも個性的なのですが、僕は「シャチパンダ」が好きですね。背景のどこかにいると思いますので探してみてください(笑)」
−−手書きがメインの細田監督とのやりとりについて、苦労したことなどありましたか。
「10年程前に、デジモン(『デジタルモンスター』)の立体視CGのイベント映像の仕事があって、いくつかの会社で分担してやっていたのですが、その一部をウチでやっていたんです。その時に演出を担当していたのが、細田監督だったんです。だから逆に、細田監督はCGに詳しいんですよ。今回の『サマーウォーズ』は、細田監督の作品の中でも、かなりCGを使っているほうですね。」