油彩科だけど油絵を描かない!?
北海道教育大学の芸術文化課程に入学しました。油彩科でしたが油絵は描いていませんでした(笑)。現代美術をやりたかったんですよ。でもそんな科は無く…。何をやっていても怒られなさそうだったので油彩科にしたんです。
油彩以外のいろいろなことをやりましたよ(笑)。家の近所に病院を改装した「PRAHA」というスペースがありました。今でいうリノベーションですね。大学に入る前からずっと関わっていたのですが、そこを運営していたのが今の会社だったんです。それが縁でまちづくりの仕事に出会いました。
大学時代の参加型ワークショップ_PRAHAUS空間の変容展
展覧会はしない!でもオープニングパーティをしよう!
ですね(笑)「PRAHA」の空間が面白かったので、それを十二分に活かしたかったんです。そこの壁には過去に絵を飾ったたくさんのいい感じの穴がありました。そこで私は仲間と一緒にその穴に番号を振り、参加者には番号を振ったカードを渡しました。それを受け取った参加者はそこにピンを刺し、グレーの毛糸をひっかけ引っ張ってもらいました。次の人もまたピンを刺し毛糸をひっかけて引っ張って、という具合に次の人次の人とどんどんにつながり、空間を全部ひもで彫刻したんです。
元々絵を描くことに興味があったわけではなく、参加をして一緒に作るとか、一緒に作ってよかった!といった体験をすることに興味があったんです。展覧会では通常、オープニングパーティというものをやるんですが、だったらいっそオープニングパーティだけをやりたいと思いました。
オープニングパーティって、アートを見にきている人のための場ではありますが、実は作家本人やその作家に会いにきている人たちが面白く、濃い出会いや情報が飛び交う場だということに気づいたんですよ。そこで、『Sapporo Cafe』という企画をつくり、札幌のことを考えることを目的に、面白い人が集まる場をつくってみました。
参加そのものの場をイベントにしたsapporo cafe
知ることで見え方が変わる
実はうちの会社に出会うまで、私はまちづくりという仕事を知りませんでした。でも一旦知ってしまうとまちの見え方が変わるなって思ったんです。私はずっと札幌に住んでいて札幌がとても好きでした。でも札幌がどう好きで何ができるか、なんて考えたこともなかった。都市計画の情報やさまざまなまちの情報が得られると、自分なりにまちへの関わり方やまちを良くするアイディアが生まれてくる。この仕事ならば、いっぱいまちに関われる。よし、食いついていこう!そしてまちに人が関わる接点を、参加の場を作っていこう!となったんです。
アートからまちづくりへ、飛躍しているように見えるかもしれませんが、PRAHAでの経験を経て、この仕事につながりました。
まちが好きだからまちづくりをしよう、と思っても急にはできないんです。でも、まちの見方や方法論がわかってくると、まちの課題の見つけ方や、改善のためのアイデアや進め方とかを考えられるようにもなりました。
一部の人たちだけで街を作っていくのではなく、住んでいる人たちも入って納得するものを作った方がいいに決まっていますから。ただ全員で意見を出し過ぎて平均点のまちを作っていくのではなくて、それぞれの分野の専門家が入ってよりよい提案を生み出していくのが大切で、私の仕事はその調整役でもあるんです。
『まちづくりの仕事ガイドブック~まちの未来をつくる63の働き方』
饗庭伸 小泉瑛一 山崎亮/編著 /学芸出版社
「都市計画・まちづくりコンサルタント(ワークショップ系)」部分を千葉さんが執筆されました
知らないから知るに向かったときの感激
この仕事を通じて、知らないから知るに向かったときの感激を知りました。だからいろんな人にいろんなまちを知るきっかけを作りたいと思っています。地域で活動してくださる方々はみんなボランティアで協力してくれています。まちのために関わりたいと思って参加してくれていた人たちです。自分たちでできることを実行し、それがうまくいった!という体験ができたら、もっとすごいことをやろう!ってその想いを継続してくれるかもしれないじゃないですか。そういうスタートアップの部分を応援したいんです!
学生さん対象のセミナーとかもやっているので、そういってもらえるとすごくうれしいです。
ますます興味湧いてきちゃいました!学生時代のことや苦労話などは引き続き後半でお伝えしていきます。
仕事は楽しいということを伝えたいです。就活も楽しい仕事に就くためのステップだと思って頑張ってください。
~後半に続く~