第4回 前編アドビシステムズWebグループリーダー 西山正一さん
第4回 マーケティングのお仕事(前編)
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−−アドビ システムズの製品は値段が高くて、製品の不正使用も後が絶たないと思うのですが、その辺りについて聞かせてもらえますか。
「僕も入社前は高価なソフトウエアというイメージを持っていましたが、入社後は完璧にその認識が変わりました。博士号持ってるような非常に優秀な人間がたくさんいますし、それこそ何千人という規模で昼夜問わずずっと開発してるんです。それって物凄いコストですよね。それくらい力を入れているからこそ、多くのプロの人に使ってもらえるいいソフトができるんだろうなあ、って思いましたね。
自分で何かを作り出して、それでお金を稼ぎ、生活をしている人が作品を生み出す道具に対して対価を支払うというのは当然の感覚だと思います。
もしもアプリケーションを不正使用している方が、自分が作った(対価をもらうことが前提の)作品が無断で使用されていたり、対価が支払わなかったりしたらどう感じるのでしょう?きっとあまり愉快な感じはしないんじゃないかなと思います。
ただ、違う見方をすると不正コピーをしてる、といわれている方々は、少なくとも我々の製品の良さを知っていて、それを使っている人たちなんですね。だから全くアドビシステムズの製品を知らない人たちに比べたら、実はある意味すでに我々のお客様だったりするわけです(笑)。
不正使用の実情は、結構僕ら自身も知っていますが、会社のスタンスとしては、目くじら立てて「告訴だ!」とか、「金払え!」などとは、基本的にしていないです。ただあまりにも悪質だと、しかるべき方々から賠償金(物凄い金額!)を請求されたりしてニュースになったりするので、気をつけた方がいいでしょうね。」
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−−製品の不正使用については、どのような対策をしていらっしゃるのですか?
「やっぱり一番問題なのは、「だってコピーできるじゃん」みたいな感じで「コピーしちゃいけないんだ」とは思ってない方でしょうか。少なからずいらっしゃると思うんですよ。
不正コピーって窃盗より重い罪。著作権侵害なんでヘタをすると罰金刑じゃ済まされず、懲役刑の可能性もあるんですよ。それを知らずに罪を犯してしまうということがないように、アドビ システムズのソフトの殆どにアクティベーションという、ライセンス認証の仕組みを入れてます。
コピーをしようとすることに情熱を持ってる人を100%防ぐことって、会社も出来ないと思っています。そこに命をかけるぐらいであれば、いい製品を作ることにお金を支払っていただいている人達に喜んでもらえるような方向に向けるべきなんだろうなと思います。」
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