キモエねっと

こんな映画観てみたよ〜
ジャンルを問わず、なんでも観ちゃう!だって何がオモシロいかは観ないとわからないもんね!学生の視点で映画感想文を綴ります。
第5回 恋の門 あらすじ

石で絵を描く自称「芸術漫画家」蒼木門。当然食べていけないし、プラス、ハタチを過ぎても童貞だった。昼はOL、仕事帰宅後はコスプレプレイヤー、そして同人誌の漫画家へ変身する女、証恋乃。後から分かるバーのオーナー、毬藻田の存在。似ていないようで、実は同じ共通の得意分野を持つ三人が、心から描き出す、あるようでないようであるような、そんな気持ちをいったりきたりする、目がグルグルと回るような、けどそれが快感に変わる、斬新な笑いと、現代性のある台詞、様々な味を持った豪華登場人物、忘れる事の出来ないエロティックなラブシーン...。
漫画家である羽生生純作の「恋の門」が、初の長編映画監督にして脚本も手がけた松尾スズキによって、日本映画に新たな門が開かれた。

恋の門
2004年 日本
監督・脚本:毬藻田、松尾スズキ
原作・作画:羽生生純     
出演:蒼木門(松田龍平役)、証恋乃(酒井若菜役)

写真1

 私は、この映画の何が好きかって、蒼木門演じる松田龍平と、証恋乃演じる酒井若菜のラブシーンが大好きだ。予想も出来ない動きと、行動、それからハプニング。それは二人のラブシーンだけではなく、この映画全体においてもいえる言葉だ。

蒼木門はハタチを過ぎても童貞。顔もいいし、性格も良し。なのになぜ「童貞」だったのだろうか、私はよく考えた。彼は自称「芸術漫画家」。自分の絵と石を見せるシーンでの周りの反応は勿論、最悪。だが、あるキッカケをもとに証恋乃と出会う事となる。 証恋乃、昼はOL。普通の人間と混じって生活している。だが、本来の彼女は違う。今でいうただの「腐女子、オタク」なのだ。アニメソング界の人気者、安倍セイキを心から愛し、コスプレーヤーであり、同人誌の漫画家でもある。“漫画”という共通項が絡み合い、二人の持つ「芸術家」と「オタク」は、惹かれ合うと同時に反発し合っていた。 二人は二人を愛し、二人を嫌い、自分だけを愛し、けど自分も愛していなかった。二人は、自分とは違う世界を描ける“漫画”に逃げ、自分達が誰の為にどうあるべきか、自分はどういう人間なのか、見えずに日々生きていた。 

写真2 その、蒼木門と証恋乃が感じている、どこからか生まれる「孤独」な気持ちは、人間誰しもが感じたことのある、実は身近な気持ちなのかもしれない。そんな二人が分かり合い、意志と意志が通じ合い、体を重ねたシーンを見た時、なぜだか私は、鳥肌が立った。普通、ラブシーンを見る時って、甘い、柔い、気持ちになるのだと思うのだが、私は初めて、ラブシーンを見て、鳥肌が立ったのだ。

「これが本当の愛なのではないか」

と。
好きな時に「好き」と言う。嫌いな時に「嫌い」と言う。
実はそれは正解でもなくて、何の解決策にもならないのだと。
好きな時に「私はあなたのどこどこが好き」。嫌いな時に「私はあなたのどこどこが嫌い」。そんな風に言えなくては、真実もクソも無いのだと、この映画を見て分かった気がした。自分の夢を、どんなに否定されても、自分の作った一本の道を走り続ける主人公の二人。二人は良き味方でもあり、ライバルでもあったのかもしれない。

続く